煙突掃除・煙突交換
Wood Burning Stove: Sweeping a Stove Pipe and Renewal

 

シーズンが終わった5月に,薪ストーブのメンテナンス。屋根に登って煙突掃除です。

 

Job on the roof. Self-belay with rock-climbing goods.

カーポートの下屋の方は5寸勾配(tanθ=0.5)なので問題なく登れるが,大屋根は7寸勾配。登るだけで精一杯,作業などできません。5寸と7寸,このわずかな違いが大きい。静止摩擦係数の限界です。

ともかく滑落はしたくないので,滑りにくい安全靴に登山用のザイルとハーネスを使って作業しました。棟には,工事のときに松井板金さんに頼んでザイル用のリング(耐荷重350kg)を付けてもらってあります。

 

Sweeping a stove pipe with a wire brush. Eight meters high above ground level.

煙突トップを外して上からワイヤーブラシを突っ込む。室内側の煙突下端にはビニール袋を縛りつけて煤を受けますが…

ドンブリ2杯分の煤が出ました。多過ぎです。2シーズン焚いたら煙突が詰まってしまいそうな量です。湿った薪を燃したせいだろうか? 煙突のレイアウトが悪い? 使い方を根本的に反省する必要があります。

まず煙突の見直しです。寝室暖房のため,ストーブ背面出し煙突をシングルのまま寝室に通してあるのですが,寝室が暑くなりすぎるので(ということは排煙の温度が下がりすぎる?),寝室煙突を二重断熱煙突に交換しました。追加予算5万円です。

なお,ストーブと煙突合わせた費用は,税込み324,000円でした。ふつう薪ストーブの予算は100万円と言われているので,1/3以下で入ったことになります。ストーブ屋に頼まずに友田さんがやってくれたおかげです。舶来の鋳物ストーブは,50~80万円が「ふつう」なので,煙突と合わせて100万円みておけ,となるのでしょう。どう考えても高すぎます。ステータスシンボルとして来客に自慢するならそれでもいいでしょうが…

 

Renewal of pipes from the single to heat-shield double type.

シングル縦引き部分を二重断熱に交換。二重煙突が1200mmほど伸びました。遮熱板も不要になります。

 

Heat shield pipe, not so hot.

2F床から屋根に抜ける二重断熱煙突。ここは変更なし。

 

ストーブも煙突も新潟のホンマ製作所製です。といっても実際に作っているのは中国の工房らしい。工作精度が良くありません。ホンマさん,外注はいいが検品をもっとしっかりしてください。

 

左は二重煙突の支えですが,みごとに隙間が見えます。半径Rが合っていません。これでは両端の2点でしか煙突を支えていないことになる。右はクランプバンドの留め金ですが,手の力で簡単に曲がってしまいます。もう少しガッチリ作れませんか。その他,ストーブ裏板遮熱板でM4ビスと取説に書いてあるのに,M4では入らない。ピッチが違うようです。M4のタップでネジを切り直しました。

 

 

煤というのは,不完全燃焼した燃え残りが,排煙の温度低下によって煙突内面に「結露」したものなので,シングルの煙突は,排煙側からみれば冷たくて結露しやすいわけです。排煙の温度低下も大きい。だからシングル部分を短くして断熱煙突を長くすれば,排煙を高温のまま外に出すことができて,煤は着きにくくなるはず。ただし熱も一緒に逃がしてしまうことになりますが。


もしストーブの中で薪が完全燃焼し,すべて炭酸ガスになってしまえば,煤は出ない理屈になります。しかし強制送風装置でもあればともかく,拙宅のストーブのようなクリーンバーン方式(二次燃焼方式)では完全燃焼は無理でしょう。たとえばロケットストーブなどは,簡単な構造だがストーブ全体が送風管のようになっているので,完全燃焼に近い状態が得られるようです。

少しでもその状態に近づけるためには,できるだけ高温で焚くことだと思います。つまり薪をケチってチョロチョロ焚くのはダメ。湿った薪も,水の気化熱を奪われて温度が上がらないからダメ。

というわけで,次のシーズンは,ガンガン焚くためにも十分乾燥した薪を大量に準備することにしました。