薪割り

Wood-chopping

 

薪割りは人生初体験です。岩石ハンマーは嫌になるくらい振ったが,斧を持つのは初めて。

薪割りをしようとハンマーのつもりで振り下ろしたら,狙いがはずれて斧が自分の足の方へ滑りました。これはまずい。薪の代わりに足を割るのはゴメンです。

いろいろ考えたり試したりした結果,足を肩幅に開き,斧を正面に構えて,薪に当る瞬間に腰を落とすのがもっとも安全で効果的な斧の使い方であると考えるに到りました。

 

A log piece on a stable stand. The log top is the same level setting as my knee.

斧を持ち上げるときは,斧の頭部に近い方を利き手で持ちます。ちなみに私は左利き。薪のトップが膝の高さになるくらいの薪割台の上に薪を載せます。薪割台は,なるべく重い方がよい。斧が薪に当ったときに動いてしまうような軽い台だと,力が逃げて割れません。

 

The feet opening shoulder-width.

振り下ろすときは両手を揃える。足は肩幅に開く。

 

The trajectory of the ax draws a circle across my knee. This is dangerous.

このまま振り下ろすと,斧は肩を中心にした円弧を描くので,外れたときには自分の膝を割ることになります…

 

The circle trajectory deflects elipticaly with squatting down. It's safe.

振り下ろすと同時に腰を落とせば,斧は楕円軌跡を描きます。薪には鉛直に当るし,自分の体重も加わる。斧先のベクトルは真下を向くので,外れても自分の方へ向かってくることはありません。あまりカッコよくないけど,これが一番効果的で安全。なおこの軌跡は,「ネットのおじさん」たちが言っているような放物線ではなく,楕円です。円を一方向に伸ばせば楕円になるでしょ。

 

斧を体の正中線に構えれば,もし空振りしても両足の間の地面に刺さるだけなので,自分の足を割ることはありません(斧の刃は欠けますが)。しかも正中線ならハズレはまずない。映画「七人の侍」では千秋実が足を前後に開いて薪割りしますが,剣の達人ならともかく,シロウトにあのフォームは危険です。Youtube の薪割り動画でも足を前後に開く例が多いが,上手い人のフォームであって,ビギナーは真似しない方がよい。

 

The open circle shows the best target point. Point X is NG.

斧を当てる狙いどころは,×ではなくて○のところ。×だと割れなかったときに斧の柄が薪に当り,手がしびれるし,これを何度もくりかえすと柄が折れる可能性もあります。○なら割れた薪は両側にきれいに飛ぶ。割れなくても柄を打つことはありません。薪の中心部も意外に割れないものです。○がベストポイント。
○ポイントを凝視しながら,斧をまっすぐ振り下ろします。無闇に力を加えるよりも,斧の自重で割るようなつもりで振り下ろす。視線がそれると斧も外れます。人間の体は視線の方へ動くようにできているらしい。
また,フシは斧では割れないので,割れ目の延びる方向にフシがないところを狙う。フシだらけでどうにもならないときは,チェンソーで切れ目を入れてから斧を振ります。

 

 

生まれて初めて薪割りなぞをやったのだが,はっきりいってこれはクセになりますね。一発でパコーンと割れた薪が両側に飛ぶのは快感です。ストレスも一緒に吹き飛んでしまいますよ。