床貼り
Flooring

ふつうフローリング仕上げは最後にやります。先に床を貼ってしまうと,工事で傷が付かないよう養生しなければならず,段取りが悪い。しかし私は早く住める状態にしたかったので,2Fの工事をまだやっているうちに1Fフローリングを始めてもらいました。

床仕上材(フローリング材)は,一番安い15mm厚パイン無垢材です。業者価格で約1600円/mでした。フシ有りの2級品です。フシなしの1級品になると価格が3倍くらい上がります。パインとは赤松のことで,針葉樹材です。広葉樹よりやわらかい感じがするとのこと。

 

フシ有りパイン無垢材のフローリング。人によってはこのフシがゴキブリの群れに見えるとか。そうでなくても,コーヒー豆など床に落としたら探すのに苦労します。パイン材のフシは抜けにくいのですが,抜けてしまったときはパテで埋めます。

床の下地は,ステージの段階で根太の上に12mm合板を隙間なく貼った状態になっています。この上に15mmのフローリング材を貼るので,床板の厚さは27mmとなります。

 

フローリング材の両木端には,実(サネ)と呼ばれる凸凹の加工がしてあり,隣の板と噛み合うようになっています。床貼りはこの凸ザネの方向に貼っていきます。逆方向はダメ。

フローリングは部屋の中央から貼り始めます。壁が平らなふつうの家では,壁と床の継ぎ目を巾木で隠すことができますが,丸太小屋には巾木がありません。シルログの下の隙間に滑り込ませるように収めるので,床貼りは常に壁に向かって進んでいきます。

また,対面する壁が厳密に平行とは限らないし,貼っているうちに微妙に曲がることもあるので,部屋の中央から両壁に向かうように貼れば失敗のリスクが少ない。それから,最後の壁間際のフローリング材が細くなりすぎるのも具合が悪いので,両壁とのバランスをとりながら割り付けをします。

 

パイン無垢フローリング材。緑のチューブは床ボンドです。

 

フローリング材の幅で壁までの距離を割り算してバランスの良いところに墨を打ちます。基準になるフローリング材を通しで貼り,動かないよう仮留めした後,つぎつぎとサネをかませて貼っていきます。

隣のフローリング材を貼っているところ。荒床に白い床ボンドを塗ってあるのが見えます。床ボンドは床貼り専用のボンドで,非硬化性のため床鳴りを防ぎます。

釘打ち機で幅4mmのステープル(ホチキスの弾)を凸ザネに斜め打ちして固定。打つ場所は根太の上です。サネに打つので,隣の板を貼ればステープルの頭は隠れて見えなくなります。

 

ビルダーさんに注意されたのは,荒床はビスで根太に打ち付けられているため,ごくまれにステープルがこのビスに当ることがあり,そうするとステープルが180˚曲がって飛び出してくる。釘打ちの近くに手をついていたりすると,直撃を受けることがあるそうです。

 

床貼りの図。部屋の中央から両壁に向かって貼るので,中央では凹ザネ同士が向き合います。ここは薄板を細く切って雇いザネとしてかませる。

 

最後の壁のところでは,凹ザネの下側をカットして,シルログの方へ先に滑り込ませれば,きれいに収まります。

 

丸太柱のところは,丸太に溝を切ってフローリング材を呑み込ませます。床の上に丸太が乗っているのではありません。