Seismic resistance
ログハウスの耐震性
これについては,日本ログハウス協会が実物実験を行なっていて,そのビデオが公開されているので,それを見れば一目瞭然なんの説明もいらないと思います。
https://youtu.be/vH9gB1Pifj0
http://www.loghouse.jpn.com/blog/2016/10/17/世界初-ログハウス実大振動実験/
でもちょっとだけ説明しておきましょう。ビデオをよく見ると壁のログが下図模式図のように少しずつずれて,壁全体が変形している様子がわかります。力学的には剪断変形と呼ばれる変形像ですが,壁全体の大きな変形がログ間の小さなずれに分散・吸収されています。一ヶ所に変形が集中しないので壁は破壊されない。大きな衝撃を分散し吸収してしまう制振構造になっているわけです。
窓枠は,セトリング対策のため壁に固定されておらず,はめ込んであるだけだから,これもガタガタしてはいますがガラスは割れない。
つまりログハウスというのは本質的に柔構造,制振構造なのですね。在来構法や2x4構法のような筋交いや合板で固める剛構造(剛体構造)の家ではありません。この実験はそれがとてもよくわかります。
ちなみに,剛体とは「変形しない物体」のことです。世の中に「完全なる剛体」は存在しません。建築学では,変形・破壊しにくい建物が剛構造,建物を基礎から絶縁して振動が伝わりにくくするのが免震構造,建物自体で振動を吸収するのが制振構造,とされているようです。