ビルダー探し(3)

 

東京で土地契約を済ませて松江に帰る途中,友田さんのところに寄ることにしました。いくらなんでも,顔も知らずに仕事をまかせるわけにはいきません。

 

彼は,ビルダーとして当然自分で建てたログハウスに住んでいます。自宅がモデルハウスみたいなものなので,訪問してじっくりと見せていただきました。

 

17年とのことでしたが,雨樋が雪ズリで外れていた以外はまったく痛んでおらず,家の中はいまだに木の香りがします。これですよ,これ。こういう家に住みたいのです!

 

 



友田邸です。コンクリート製のガレージはそのまま家の地下室につながっており,その地下室が木工作業場になっています。実質3階建ての家です。

 


友田さんからは,「施主参加」を提案されました。ハウスメーカーや工務店が元請けになって下請け業者を束ねる「一括請負方式」に対して,施主が直接工事の各工程にかかわるのが「施主参加」とか「直営方式」,「分離発注方式」,「セミ・セルフビルド」などと呼ばれるやり方。

 

後からわかったのだが,友田さん,多かれ少なかれ施主にはセルフビルドをやらせたいと思っていたようです。その方が楽しいと。かつて流行ったログスクールのような形で,施主と一緒にログを刻む喜びを分かち合いたい,というのが彼の今のモチベーションなのかもしれません。

 

で,私の方は,もともとオーディオスピーカーや家のウッドデッキ,ウッドフェンスを作ってきた自作派なので,友田さんにそそのかされてDIY精神に火がついちゃったわけです。ログカットの真似事と内装造作をセルフでやることになりました。

 

それに自分の労働力はタダですから,セルフの%が上がればそれだけコストカットにもなります。勤務時間にしても,自分以外の誰もストライキなんかやる人いませんから,生きているかぎり「無制限」。工期なし,いくら時間がかかってもOK。ようするに自宅というのは,死ぬまで手を加え続けて完成するときがない,ということですね。

 

ちなみに友田さんはたいへんな犬好きで,フラッティ(フラット・コーテッド・レトリーバー)を飼っていたが,残念ながら5年前に亡くなったそうです。そういうわけで友田さん,うちのボーダーコリーとはすぐに仲良くなりました。犬を連れてくれば,タダで泊めてやると。