伐採・整地
Levelling the ground
松代のログサイトで丸太加工が行なわれている間に,安曇野の現場では,基礎屋のYmさんによって基礎工事が進められます。
その前に,敷地を購入した時点ではまだ森だったので,家を建てるためにまず樹木の伐採と整地が必要です。これだけに50万円かかりました。伐採した木は薪にするので,少しは燃料代として家計に戻ってきますが,それにしても森を切り開くのはたいへんです。
伐採前の敷地。パイオニアプランツのアカマツが伸びきって,それを追うようにクヌギやサクラ,ミズナラなどの若木がアカマツの半分くらいまで生長しています。
アカマツは樹齢数十年~百年近い老木が多く,マツクイムシの被害が広がっています。松枯れすると道路や電線,家の上に倒れてくる可能性があり,危険です。安曇野市では伐採更新を積極的に推進して里山を針広樹林化しようとしているようなので,私も微力ながらそれに答えるため,敷地内の樹木を皆伐することにしました。後にはシラカバやクヌギなどの苗木を植える予定。
さてどうやって伐採するかという話になったのですが,細い木ならビルダーの友田さんが自分で切ると。ホントかいな。細いったって樹高20mくらいありますけどね... しかし道路側に太いアカマツが3本がんばっていて,こいつらはヘタに切ると道路側に倒れ,道路を塞ぐだけでなく電線も切ってしまうだろう。これらの処置は友田さんも自信がないという。
ふと,土地を購入するときに別荘地管理事務所の人が伐採の話をしていたのを思い出し,事務所に行って事情を話すと,話はすぐにまとまりました。別荘地は森の中にあるので,高木の枝下ろしや枯木の伐採などは管理事務所の主要業務の一つなのです。事務所のOgさんは伐採のプロです。
お隣さんの家もあるし,道路に沿って電線も通っているので,大胆に根元からバッサリというわけにはいきません。1本1本こうやって登って,上の方から少しずつ切り落としていきます。とうてい素人のマネできる仕事ではありません。彼はプロなので,30分くらいで1本伐ってしまいました。
伐採のほぼ終わった敷地。残った根は,ユンボで掘り返して整地します。
整地の終わった敷地。扇状地なので,ユンボで引っかいて整地すると,たちまち扇状地礫がゴロゴロと出てきます。マツやナラの葉が堆積した腐葉土からなる表土は30cmくらいしかありません。
この写真は,浄化槽を設置したとき2mくらい掘った穴の写真です。薄い表土の直下は優白質の有明山花崗岩だけからなる扇状地礫層ですが,その下には閃緑岩などの礫層や砂層があり,さらにその下は1m以上の巨礫を含む礫層となります。なかなか複雑です。露頭1ヶ所ではなんとも言えないけど,拙宅の場所は,地形的には中房川扇状地の末端部であり,松本盆地を埋積する高瀬川の礫層と中房川扇状地礫層とが指交関係になっている可能性がありそうです。砂層は,扇状地上を流れた網状河川の堆積物でしょうか。中房川流域には有明山花崗岩しか分布しないので,中房川扇状地礫と言えるのは一番上だけです。